ギリシャ神話には「ぶっ飛んだエピソード」がたくさん登場する。新刊『ぶっ飛びまくるゼウスたち』(実業之日本社)から、「パンドラの箱に希望だけが残されていた理由」のエピソードを紹介しよう――。
※本稿は、こざきゆう、真山知幸(著)、庄子大亮(監修)『ぶっ飛びまくるゼウスたち』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。
天ではなく地上で暮らす変わった神プロメテウス
プロメテウスは、ミョーに人間の味方をする、ちょっと変わった神様だ(ふつう、神様は人間にバツをあたえたり、たまに味方したりする)。ギリシャ神話では「オリュンポス12神」と呼ばれる神々が有名だけど(ゼウスもそのひとり)、その前に世界を治めていたのが、「ティタン神族」だ。プロメテウスは、そのティタン神族の子孫にあたる。
「オリュンポス12神」が世界を治めたとき、プロメテウスがどうしていたか、と言えば、すでに天ではなく地上で暮らしていた。そこからして、すでに人間っぽい。
そして、ある重要な問題をゼウスと話しあうときにも、めちゃくちゃ人間をひいきして、伝説になっている。
その話しあいとは、「けものの肉を神と人間でどうわけるか?」というもの。「神様だったら人間に肉をくれても、いいじゃん……」と思っちゃうけど、神様もそこはしっかり食べたい。
そんなときもプロメテウスは「なんとか、人間に良い肉を食べさせたい」と考えたというから、人間からしたらプロメテウス様様って感じだ。そしてプロメテウスは、人間のためにゼウスをだまそうとまで考えた。気持ちはうれしいけど、だいじょうぶ?