行動力が運を引き寄せる
以前、世界遺産に登録されている熊野本宮大社に行ったとき、宮司さんからとても興味深いお話を聞いたことがあります。世界中を飛び回っているある有名な起業家が、関西空港から直接車で熊野に向かって参拝した後すぐに東京に帰る、というようなことをされているとおっしゃっていました。
その起業家は決して神頼みに来ているのではなく、むしろ忙しい日常の中で心を整えるためのひとつの区切りとして、熊野本宮までの長い道のりをやってきたというのです。
誰もが簡単にできることではない行動力です。
実はこうした行動力こそ、運を引き寄せる大きな要因となるのです。
たとえば、Aという行動をとる人は、他のBやCという行動にも積極的であるという傾向があります。つまり、どんなに忙しくても神社やパワースポットに出かける行動力のある人は、普段の仕事や日常生活でも積極的に何か新しいことにチャレンジする傾向があり、その準備をしているということです。
逆に、「神社やパワースポットなんて迷信でしょう。そんなの自分には関係ない」などと言っている人は、何に対しても積極的ではなく、むしろ消極的な行動しかできないようにも見受けられます。
行動力とは、自ら進んで実行に移せる力であり、それと同時に自分が知らないことや経験がないことに対しても、興味を抱けるということです。
すぐに行動できない人ほど前頭葉が動いている
世の中には、何に対しても素早く行動できる人とできない人がいます。運を引き寄せられる人が前者であるのは、いうまでもありません。
素早く行動できる、できないという差はどこから生まれてくるのでしょうか。実は、そこには脳の働きが大きく関係しています。
すぐに行動できない人の原因を脳科学的に説明すると、意外なことに脳が正しく働いている証拠だといえます。つまり、すぐに行動できない人の脳というのは前頭葉が指令通りに機能して、抑制が利いてしまっているのです。
私は仕事柄、海外のビジネスパーソンとも話す機会が多いのですが、「なぜ、日本人の多くはすぐに決断したり、すぐに行動できないのか」と言われることがあります。この理由もまた、真面目な日本人がルールや決まり事をしっかりと守るところからきているのです。
「行動に移す前に、まずは慎重に検討しよう」
あなたのまわりでこんな言葉が交わされてはいないでしょうか。こうしたルールや決まり事が脳の抑制となり、私たちの行動にブレーキをかけているのです。
真面目な日本人の脳がしっかり働いているからこそ、すぐに行動に移せない。何とも皮肉な話ですが、変化が激しい現代社会においては、時には大胆に行動しなければいけない。私が常々考えていることのひとつです。