どちらが得かは立場によって変わる
先ほどの缶詰の説明を聞いて「1ドル150円よりも、1ドル100円のほうが得!」と考えるお子さんもいると思うのですが、どちらが得をするかはケースバイケースということも伝えておきたいポイントです。
たとえば海外旅行に行って1ドルで売っているジュースを飲むなら、
円高:1ドル=100円の場合 →100円で買える!
となり、当然ながら円高のほうが都合がいいわけです。
ですが、逆に日本から外国に1ドルでものを売るなら、
円高:1ドル=100円の場合 →100円しかもらえない
となり、受け取る日本円の金額が大きくなる円安のほうがいいと言えます。
たとえば親御さんが海外に製品を輸出する企業でお仕事をされているとしたら、円安になったほうが会社の業績がよくなり、給料が上がる可能性が高まります。でも夏休みに家族で海外旅行に行くなら、円高であるほうが少ない予算で楽しむことができます。どの視点で見るかによってどちらが得かは異なるのです。
・外国からものを買う場合→円高が得
・外国にものを売る場合→円安が得
ハンバーガーの値段で世界の経済を比べられる
日本と海外のお金の話で言えば、「ニューヨークではラーメンが2000円以上する」といった話を聞くことがあります。大人でも瞬間的に「高っ!」と反応してしまったりしますが、物価は国によって異なり、日本で100円出せば買えるものが海外でも100円で買えるとは限らない(10円だったり1000円だったりする)ことも、子どもに教えておきたいですね。日本人から見て高い、あるいは安いと思えるものも、現地の全体的な物価を考えるとどうなのかという視点は大切です。
国ごとの物価についての面白い指標があります。ファストフードのマクドナルドの商品、「ビッグマック」は世界の多くの国で売られていますが、この値段で世界経済の状況を比べるというデータがあるのです。
その名も「ビッグマック指数」。同じビッグマックでも、物価や景気によって国ごとに値段が異なるため、その値段を比べることで、各国の経済状況を比べることができるというものです。