ステップ3:代案を提案する
最後に、代案を提案しましょう。たとえば「今すぐは取り掛かれないのですが、来週でしたら可能です。いかがでしょうか」など、譲歩できる範囲で代案を提案します。それが難しい場合も、「今回は難しいですが、今度お手伝いできることがあったらぜひ声をかけてください」などと伝えます。
ここであまり、「仕事を引き受けたいアピール」をしてしまうと、自分の首を絞めることになるので気を付ける必要はありますが、最後にちょっとしたやる気を見せることで、相手の失望感を和らげることができますし、「冷たい人だ」と思われることも避けられます。対面で回答する自信がなければ、メールやチャットで送ってもいいと思います。
この3ステップによる構成で、あらかじめ断り方のテンプレートをいくつか用意しておくとよいでしょう。
「断る=絶対やらない」ではない
仕事を頼まれたときの返し方は、「断るか」「引き受けるか」の二択ではありません。「どちらかを選んで答えなくては」と思うと気が重くなり、「引き受けてしまった方が気が楽だ」となってしまうかもしれませんが、二択ではないと思えば断ることのハードルも下がるのではないでしょうか。
「断る=まったくやらない」ということではないのです。自分の中で譲歩できる範囲がいくらかあると思うので「1週間後ならできます」「最初だけやりますけれど、あとは他の方にお願いしたいです」など、譲歩できる範囲、自分ができる範囲を見極めたうえで回答すればよいのです。
ただ、それを相手に頼まれてすぐに、その場で判断して回答するのは難しいでしょう。だからこそ、いったん持ち帰って猶予を作り、考えたうえで回答するのです。頼んだ側も、「この人は真面目に考えてくれている」「前向きに取り組もうとしている」という印象を持ってくれるでしょう。
(構成=池田純子)