
選択と集中の失敗にもがくシャープ
数年前まで優良企業であったシャープが苦しんでいる。液晶という得意分野に「選択と集中」した経営戦略はむしろ評価される対象であった。しかし、テレビ向け液晶の市場はあっという間に価格破壊と在庫の山となりソニーやパナソニックも大幅な戦略転換を余儀なくされる事態となった。ソニーやパナソニックは事業領域が広いため他の事業へのシフトという戦略がとれるが、シャープにとっては選択と集中していた液晶が中核事業であり、さらに液晶技術を応用した次の成長商品と期待されていた太陽電池市場も価格が暴落するというダブルパンチを受けてあえいでいる。
唯一の望みは絶好調のアップルのiPhoneやiPad向けの液晶部品供給であり、サムソン以外の部品供給先を増やしたいアップルからの大量調達とアップルの製品組み立て主力企業の鴻海グループからの出資などが現在再建への希望の星となっている。ただそこは、部品メーカーとしての再出発であり、鴻海グループがどこまでシャープの完成品メーカーとしての価値を感じているかはまだ見えてこない。
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