「影武者説」は政権混乱の表れか
プーチン大統領は反乱収束後、あちこちのイベントに精力的に出席。何事もなかったように振る舞い、国家の安定をアピールしている。南部ダゲスタン州も訪れたが、ロシアの新興メディアやSNSでは影武者説が飛び交った。コロナ禍以降、隔離生活を続ける大統領が、民衆と密の交流を行うのは不自然で、動作や表情も微妙に異なるといった分析が拡散した。
反乱前日の6月22日にも奇妙な動きがあった。プーチン氏がドイツ軍侵攻記念日に戦没者慰霊行事に出席する動画と、安全保障会議をオンラインで主宰する動画がほぼ同時間帯に大統領府HPにアップされた。影武者を運用するとされるのは、要人警護に当たる連邦警備庁(FSO)。影武者説の真偽はともかく、運用が粗雑になっているようだ。
内乱直前の一触即発の危機を招来した後、政権の統率力が低下し、タガが緩んできたかにみえる。秋の「政治の季節」を前に、言論の野放しが続けば、体制に脅威となりかねない。