人生からの問いかけに気がつく「習慣」づくり

では、どうしたら人生からの問いかけに気づき、正しく回答することができるでしょうか。それは、自分の心が刺激を受けるような日常の出来事を敏感に察知し、

1.人生からどのような“問い”があるかを聞き逃さない
2.その問いに対してどのような行動をなんのために選択するか
3.その対応をしたときの感想や気づいた点(必ず一つは自分への褒め言葉を入れてください)

について意識することです。これらが習慣になるまでは、スマホのメモ機能や日記帳などに書きためていくのも良い方法です。その中で、“今日も誰かの役に立てた”という感覚を持てたなら、有意味感の向上にも繫がります。

反芻はんすうやメモの仕方
出来事:数名で雑談していたら、自分が慕っている先輩の悪口が始まり、「あなたもそう思うでしょう?」と同調を求められる雰囲気になった。
人生からの問い:あなたは、先輩の悪口に同調するよう求められていますね。どのような対応をしましたか?
あなたの回答:「うーん、私はよくわからないので……」と、その会話を避けた。
その回答を選んだ理由(なんのために):一緒になって悪口を言いたくなかったけど、真っ向から反対すると角が立つと思った。
自身の対応についての点数(人生からの問いかけに対し10点中何点で答えられた?):6点(10点満点)
気づき:自分は先輩に対して悪い感情はないので、そうは思わないとはっきり伝えたかったが、それはできなかった。しかし、同調圧力に流されず少なくとも悪口に参加しなくて済んだ。

以上のような内容をその場でメモに留める場合は、出来事と人生への回答、点数のみ入力し、時間のあるときに気づきなどを加筆していってもいいでしょう。このようにメモをすることで人生からの問いかけを常に意識するようになり、どのような行動で「意味への意志」を満たしていけるのか、を感覚的に身につけていくことができます。

ポイント
◎日常的な出来事の中に「人生からの問いかけ」がある
◎人生からの問いに対し、どんな行動をなんのために選択するのか、そのときの感想や気づいたことをメモや日記帳に書きためる
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