ギリシャ彫刻の男性像のペニスは、なぜどれも小さいのか。歴史学者で英BBCの人気ポッドキャスターのグレッグ・ジェンナー氏が子供たちの質問に答える『ロンドン大学歴史学者の「歴史のなぜ」がわかる世界史』(かんき出版)より、一部を紹介しよう――。
ラオコーン像〈ピオ・クレメンティーノ美術館(バチカン美術館)所蔵〉(写真=Marie-Lan Nguyen/PD-self/Wikimedia Commons)
ラオコーン像〈ピオ・クレメンティーノ美術館(バチカン美術館)所蔵〉(写真=Marie-Lan Nguyen/PD-self/Wikimedia Commons

巨大なペニスを持つ豊穣の神「プリアポス」

『ギリシア彫刻の男性像のペニスはなぜ小さいのですか? 匿名より』

僕はツイッターにハマっていて、毎日何時間もこれに費やしている。言い訳をさせてもらえば、ツイッターは歴史学者にとってすばらしい集会所の役割を果たしていると思う。何千人もの博識な専門家が参加する#Twitterstoriansというコミュニティがあり、ここではほかのどこからも得られない愉快で刺激的な会話が毎日交わされているのだ。

特に気に入ったものの1つが、2013年にあった、古代ローマのペニスに関する討論だった。きっかけが何だったのか、詳しく覚えていないが、気の利いた笑いとして始まった会話は、4人の優秀な古典学者がその博識を分かち合ってくれた結果、本当に興味深いものとなった。

その日僕が学んだなかで一番気に入ったのは、オックスフォード大学の古代詩の専門家、ルウェリン・モーガン教授から学んだことだ。彼が何気なく教えてくれたところによると、古代の詩はさまざまな韻律(メートル)を使用しており、その1つであるプリアペイアは、ローマの豊穣ほうじょうの神プリアポス――まるで3本目の脚に見えるほど巨大な勃起したペニスを持つ――に関する卑猥な詩に特化していた。

また別の韻律はithyphallicと呼ばれているが、これはギリシア語で文字どおり「勃起した男根」を意味する。なんとあからさまな!

1700年代になるとこの言葉は、母親には絶対見られたくないようなあらゆる下品な詩を指す万能語となった。そして現代の医者にとって「ithyphallic(持続勃起症)」患者とはつまり、バイアグラを飲みすぎて常に勃起している人のことだ。

考古学者もローマ人もする「男根ジョーク」

詩に関する高尚な会話の最中に、メートルの「長さ」についての男根ジョークを飛ばしたのが自分でないことには驚かされ、うれしくなった。自分の一物いちもつがメートル単位だなんて厚かましくも言えるのは男だけだと皮肉っぽく発言したのは、考古学者のソフィー・ヘイ博士だったのだ!

そう、学者も生徒たちのように悪ふざけすることはある。そして同じことがローマ人についても言える。彼らも同じようなジョークを持っており、もし当時、セックスのことばかり考えている登場人物が活躍する『平民(プレブス)』などというシットコムが存在したら、大いに受けたに違いない。