債務上限引き上げは「政争の具」
春頃から、債務上限問題がアメリカを揺るがしていた。債務上限とは、米連邦政府が国債発行などで借金できる、法律で決められた上限のことである。歳出規模が膨らむと、追加で国債を発行して財源を調達しなければならないが、上限を超えると新たに国債を発行することができない。上限を修正する議会の承認がなければ、国債の元本償還や利払いに回す資金が調達できず、国がデフォルト(債務不履行)になる可能性が高まる――。
これが債務上限問題の本質だ。米財務長官のジャネット・イエレンは、2023年6月5日を期限に債務上限(31兆4000億ドル)を引き上げないと、米国経済は大混乱に陥ると警告していた。
債務上限制度の源は、第1次世界大戦中の1917年にさかのぼる。アメリカでは国債の発行に議会の承認が必要だったが、戦時国債の柔軟な発行をはかるため、発行額の上限を定めたうえで、議会の承認を必要とせず連邦政府が国債を発行できる法律をつくった。そのうちの17年第2次自由国債法が、今に至る債務上限の法的な根拠になっている。
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