小泉は相当に熱い。栗田は冷静だ。

「スカイツリーの『Tree Village』というお店なんて、プラカップで、完全にto go(持ち帰り)で飲むようになっています。まったく新しい飲み方の提案です」

キリンビールマーケティング社長
植木 宏

小泉ならずとも「新しいライフスタイル提案」には何かしらトキメキを覚える。これまで、昼間から缶ビール片手に外を歩いていれば、はっきり言ってアブナイ人だった。ところが、昼間からフローズンのプラカップを片手に歩いている人は、カッコイイのだ。いいじゃないか!

キリンは、ヒカリエの飲食店29店舗中、実に19店舗で取り扱いを獲得している。そのうちフローズンが飲めるのは6店舗。栗田はフローズンという「飲み方提案」が店舗の攻略上強烈なパワーを持つことを、EATで実証してみせた。

「お客様と飲んで肩を組むのが営業だという時代は、もう終わったのです」

取材を終えてEATを後にするとき、40代とおぼしきふたりの女性がプラカップで一番搾りフローズン生を飲む姿が目に入った。時刻はちょうど正午。

ビールは少し、自由になった。

(文中敬称略)

※すべて雑誌掲載当時

(的野弘路=撮影)
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