留学生はふにゃふにゃのお坊ちゃんばかり

それでは、就労にあぶれた学生は何をしているか。

家庭教師も予備校講師もインテリが嫌いな習近平の命令で禁止され、およそ1000万人の教育関連の失業者がでた。「ウーバー・イーツ」(出前)でも客の取り合いを演じている。肉体労働現場も不動産の不況でクレーンが止まっている。

宮崎正弘『ステルス・ドラゴンの正体 習近平、世界制覇の野望』(ワニブックス)
宮崎正弘『ステルス・ドラゴンの正体 習近平、世界制覇の野望』(ワニブックス)

そこで雇用されるより、もう少しモラトリアムがほしい学生は大学院に進学。あるいは海外留学となる。2022年度、大学院へ300万人の志願があった。

半世紀前、中国からの留学生には凄まじいハングリー精神があった。目が血走り、あらゆることに好奇心があり貪欲で、かつ真剣だった。

それがいまやふにゃふにゃのお坊ちゃん、ファッションにしか興味のないお嬢様たちと様変わりした。もし国防動員法が発令されても、この学生諸君らは日本国内でスパイ活動や破壊活動をまともにできるとは思えない。

そこで海外留学生、研修生や移民の動向を見張るために世界各地に秘密の中国の「駐在警官オフィス」が設置されたのだ。米国司法省は「中国の監視機関は世界102カ国にあり、中国企業、とりわけソフトウエア開発や通信企業、ビデオゲーム企業などが秘密監視機関と連携し監視行動をしている」と警告した。

巨大な矛盾の噴出である。もともと矛盾だらけの国だから驚くことでもないが……。

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