ついに崩壊した中国不動産バブル
中国の不動産価格の値崩れは激甚で、2022年11月期速報で、2020年同月比の半分。つまりマンション価格は半値となっている。バブル崩壊でかつて日本経済はペシャンコになった。中国はこの再来を防ぐためにデベロッパー大手に資金をぶち込み、人為的に救済し、緊急融資でその場しのぎの生命維持装置をつけるわけである。
この巨額資金をどうやって捻出するのか?
打ち出の小槌は裏付けもなく輪転機を回すことだが、近年の中国の資金調達方法は債権起債である。つまり借金を新たに投資家からかき集め、前の借金を返済する。なんだかネズミ講に似ている。悪性スパイラルで債務は雪だるま式に累積されていく。
2022年12月12日に中国財政部は「追加」の特別国債を12兆円発行した。この追加分だけでも日本の防衛費の2倍だ!
2022年度中に中国が起債した「インフラ債」の発行額は78兆円で、2019年比で2倍強。主に地方政府のインフラ整備が目的だが、金利が3.7%平均だ(ちなみに2022年度の中国GDP成長率は2.7%に下方修正された。金利のほうが1%高い)。将来の返済はケセラセラになるのか、当面は利払いに追われるから、こうした借金体質はもはやパキスタン、スリランカ、ウクライナと同列になった。
中国人富裕層はどこへ逃げていくのか
イギリスに「ヘンリー&パートナーズ」という合法的にパスポートを売る企業がある。同社の発表によると2021年の世界一強力なパスポートは日本とシンガポール。日本は4年連続の1位である。2位はドイツと韓国。判定基準はビザなしで世界の幾つの国へ行けるかであり、日本は192カ国が対象となる。
だからといって中国人が日本のパスポートを取得することは、日本人配偶者を見つけるか長期滞在以外は無理だ。なぜなら日本は二重国籍を原則として認めないからである。
したがって、ヘンリー&パートナーズに依頼して中国人富裕層が取得するパスポートは豪や英国、米国のように人気があっても手続きが難しい国々と、当該国の不動産購入、あるいは一定金額を超える投資と付帯する雇用の保障などによって取得が比較的容易な国々とがある。