基礎固め期は「書いてある内容を知ればいい」

「理解」というと、テキストに書かれたことや、出題者の脳内を第1段階で全部把握しなくてはならないのか、と思われるかもしれませんが、そうではありません。

最初の1周目は気負わずに、「だいたいこんなことが書いてある」と知るだけで十分です。「そんなに薄くて良いのか?」という心配も必要ありません。「超シンプルマーキング術」を使って進めると、2周目以降は「だいたい」ではなくなり、加速度的に理解が緻密になっていきます。

この1周は、テキストではなく、問題集を1周するのだということはもうご存じですね。1問ごとにテキストに戻り、該当箇所を見て、図を描いて、また次の1問へ。これをグルグルと回すやり方は、3段階に共通しています。

その中で、基礎固め期=1周目のゴールは、その資格の学習分野に「慣れる」ことにあります。

未知の分野と出会って、知り合って、いろいろな面を知って、こう接していけば良いのだと「理解する」。そう、人と人が距離を縮めていくプロセスと同じです。

試験勉強の最初の敵は「弱気」

慣れるには何が必要かというと、当たり前ですが、「インプット」です。敵を倒すアイテム、つまり知識という武器を、一つずつ備えていく時期といえます。

学ぶべき内容が多ければ多いほど、敵は大軍だということです。こちらはひたすらインプットして、戦力を増強しなくてはなりません。

この場面で、多くの人は最初の関門に突き当たります。それは「弱気」です。これまた至極当たり前ですが、敵との戦闘力の差は、学び始めのときが最大値です。ところが、この当たり前を当たり前と思えず、「難しい、全然分からない!」「自分には無理!」と恐れをなして、チャレンジ自体を諦める人が少なくないのです。

期末試験の準備をしている学生
写真=iStock.com/GCShutter
※写真はイメージです

この弱気を取り除けるか否かが、重大な分かれ道です。

あまり知られていないことですが、学習の序盤は、この時期に大暴れする「影の強敵=つい逃げ腰になるメンタル」を追い払う手立てを用意することが必須です。