「耳学」は初期のインプットに最適

そこで登場するのが、「耳学」です。

第1段階では耳を使った学習がメイン。テキストにひもづいた動画や、通信教育プラットフォームのオンライン授業など、耳から聞ける学び方を積極的に取り入れましょう。

動画は、読んで字のごとく、動いている画を「見る」ものだと思っている方も多いでしょう。しかし、大事なのは「聞ける」ことです。動画内の板書はテキストで代用できますが、テキストや問題集は声を出してはくれないからです。では、なぜ「声」を聞く必要があるのでしょうか。

耳学は、「両手がふさがっていても学べる」という実用的なメリット以上に、メンタルを支える効用があります。テキストを読むのと、動画講義の声を聞くのと、どちらが「教えてくれている」感じがするでしょうか。当然、後者ですね。

耳学は、「自分はひとりではない」という感覚をもたらしてくれます。その安心感がベースにあると、耳から入ってくる情報がさらに、脳にインプットされやすくなるのです。人の声で届くと、自分に向かって語りかけてくれているような気がして元気が出ますし、集中力も上がります。先生が「ここ大事ですよ!」と言うと、実際にどこが大事なのか意識に残りやすいという利点もあります。

北欧スタイルの家の日本人男性は、ポッドキャストを聴いてコーヒーを入れています。
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やる気がない日も10~20分動画を聞く

基礎固め期にはもう一つ、重要な役割があります。それは、勉強の習慣を身につけることです。

何事も、初期が一番大変なもの。「資格を目指す」という一念発起のモチベーションが推進力となってはいるものの、先ほど話した弱気が頭をもたげることもあります。

そうした時期だからこそ、やる気が出ない日でもせめて10~20分、問題集を読むか、動画を聞きましょう。小さく何かを行えば、「この部分のテキストも見てみようかな」というふうに、続けたくなるものです。万一そうならなくても、少しだけ何かをしたという行動自体が、習慣化の基盤になります。毎日同じことをすると、あるとき「しないと気持ち悪い」と思うときがくるのです。戦闘力はまだまだ低くとも、地道に毎日、力を積み重ねていきましょう。