一日を静かに終えるナイトルーティン

ただし、睡眠サイクルにあまりにばらつきがあるのも問題だ。

ある日は午後9時に寝て午前4時に起き、ある日は午前3時に寝て午後2時に起きるというのは良くない。ハーバード大学が学生61名の睡眠習慣と成績の相関関係を研究した結果によると、睡眠サイクルが規則的な学生は、そうでない学生より成績が優秀だったという。

私たちの体には午前と午後の生体リズムがあるが、睡眠時間が不規則だとこのリズムが本来の時間より3時間程度ゆっくりと作動し、よって授業に集中できなくなるからだ。

理由もなく眠りにつけない日が続くなら、一日を終える自分だけのナイトルーティンを作ろう。私は夜にオイルバーナーやアロマキャンドルをつけて半身浴をしたり、フェイスパックをしたり、目の洗浄をしてから横になりくつろぐ。

私たちの約束は、リラクゼーション、若返りと新たな目的意識です
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朝に温かいお茶を飲み、音楽を聴きながら一日が始まったことを自分自身に知らせるように、自分だけのナイトルーティンで今日一日が終わったという事実を認識させるのだ。

時にはオーディオブックやASMR動画をつけっぱなしにもする。早く寝なくてはという考えを忘れるため、何かを聴くことに集中するのだ。

夜は私にとってコンピューターやスマホを見ながら寝落ちする時間ではなく、あくまでも就寝の準備時間であり、私はこの時間をとても好んでいる。こうして一日を静かに終えるナイトルーティンを作れば、心が自然と落ち着き、難なく眠りに入ることができるからだ。

早起きできない日があっても気にしない

私たちは目標に向かう途中で少しばかり危機に晒されるだけなのに、それを「失敗」と評価してしまう。それはなぜだろう?

明け方起床の習慣化を成功させるためには、朝に起きて得られるご褒美を考えてみるだけでなく、決して寝坊を失敗と決めつけないことだ。

朝型人間は毎朝早起きしなければならないわけではない。疲れた日には睡眠をいつもより多くとるほうが、一日を無事に過ごすためにははるかに有益だ。朝寝坊を一日しただけで、情けないとか問題があるんだと自らを責めるようなら、早起きなど永遠に無理だ。

時々体調が優れず、いつもより長めに寝たとしても、その日を「朝寝坊した日」「早起きに失敗した日」ではなく「ぐっすり眠った日」と考えよう。

長く明け方起床をしてきた私に言わせれば、普段問題なく早起きできても、いつも元気溌剌で勤勉なわけではない。一生懸命走ってきた分、疲れる日があるのは至極当然だ。

日によってはアラーム音も聞こえないほど疲れていることもあれば、朝にはなんともなかったのに午後に眠気が襲ってくるときもある。

これは、朝いつ起きるかに関係なく誰もが経験することで、そんなときは朝寝坊したとはいえ、早起きに失敗したのではない。むしろ熟睡すれば心と体の負担が軽減され、翌日はいっそうすっきり起きられる。