市販品は非常に厳格な基準をクリアしている

たとえば大腸菌は、1個存在すると30℃程度で水分や栄養分などの条件が整っていれば3時間後には500〜4000個程度になるぐらい、細胞の分裂増殖のスピードは速いのです。日本冷凍食品協会の取扱要領は、工場での細菌の混入がほぼ許されない、というレベルの衛生管理を求めています。

食品工場での作業
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そのため、このタイプの冷凍食品を作る工場は、施設内を陽圧にして外から細菌やかびなどの微生物が入らないようにし、さまざまな技術を駆使して微生物汚染を極力防ぐようにしています。また、ヒトは肌などに細菌を持っており全身を作業着で覆っていても汚染源となるおそれがあるので、機械化を推し進めヒトの作業を減らして製造しています。保存料は使っていません。

こうした努力により、細菌に汚染されていない冷凍食品が出来上がり、保冷剤代わりに弁当に入れても条件をクリアし、腐敗や食中毒につながらず安全に食べられます。

家庭の台所は細菌で汚染されている

一方、自家製冷凍食品の調理環境はどうでしょうか?

花王が家庭の台所の調査結果を「トイレより汚い⁉キッチンは菌でいっぱい」と紹介しています。同社の拭き取り調査で、シンクのふちや手拭きタオルは、6割以上の家庭で10万個以上の菌が検出され、調理台も17%の家庭は同様に10万個以上の菌が検出されたことを明らかにしています。

四国大学の研究者の一般家庭を対象とした使用後のふきん調査でも、台ふきんは10センチ角の面積あたり、細菌が1000万個以上いることがわかりました。かびも同程度でした。つまり、台所は細菌やかびだらけで、ふきんにもそれらが付いている、ということなのです。