中国人富裕層が日本で医療を受けるケースが増えている。フリージャーナリストの中島恵さんは「実費診療なので、1回の治療で数百万円から数千万円かかるが、それでも日本で治療を受けたいと望む人は大勢いる。最大の理由は、中国人が中国の医療を信じていないからだ」という――。

※本稿は、中島恵『中国人が日本を買う理由』(日経プレミアシリーズ)の一部を再編集したものです。

病院の廊下で、新型コロナウイルスの治療を受ける人々
写真=EPA/時事通信フォト
病院の廊下で、新型コロナウイルスの治療を受ける人々(2022年8月12日、中国・上海)

中国人は中国の医療体制を信頼していない

前回記事〈上海のマンション1室分で、日本ならビル1棟が買える…中国人富裕層が日本の不動産を爆買いする本当の理由〉では、中国人が日本のマンションを多数購入している実態を書いた。その理由は投資目的や中国社会の不安定さだけではない。中国の医療体制について、中国人自身があまり信頼していない、という点も関係している。