肉、魚、野菜…47都道府県で一番消費額が多いのは?

消費支出額上位3位の地域を掲げると以下の通りである。

生鮮肉:①京都、②奈良、③滋賀
生鮮魚介:①富山、②東京、③大阪
生鮮野菜:①神奈川、②東京、③新潟
●肉

生鮮肉については、西日本の中でも、京都、奈良という日本を代表する古都とその周辺がトップ地域である点が目立っている。肉好きについて、肉食など食の洋風化をもっともはやく取り入れた神戸や横浜、あるいは東京ではなく、むしろ、全国の中でも最も伝統を引き継いでいるとされる古都がリードしているという事実は、案外であり、きわめて興味深い。京都はパンやコーヒーの消費が多いことでも知られており(消費金額でパンが1位、コーヒーが3位)、わが国最大の伝統都市は、かえって、伝統食にこだわることなくもっとも洋風化が進んだ都市なのである。

●魚

生鮮魚介については、富山などもともと魚介類の豊富な地域に次いで、東京、大阪という東西首都が登場している。これは上記の通り中心都市ならではの高級品嗜好が影響している。家計調査では消費金額だけでなく消費数量を調べているが、数量ベースでは生鮮魚介のトップ3は、①青森、②鳥取、③富山となっており、金額2位の東京はなんと27位、金額3位の大阪は15位とかなり下位に位置していることからもそれがうかがわれる。同じ魚種でも値段が高いものを買っているのに加えて、アジ、サバといったいわゆる大衆魚というより、マグロ、エビなど単価の高い魚介類を多く食しているからと考えられる。

●野菜

生鮮野菜について神奈川、東京が上位2位を占めているのは、この2地域が東日本に位置することに加え、やはり、健康志向を優先するトレンディーな県民が多いせいであろう。生鮮魚介と異なり、数量ベースでも神奈川は金額ベースと同じ1位、東京も5位と上位である点からもそうした点がうかがわれるのである。

なお、東京は生鮮魚介でも生鮮野菜でも全国2位であるが、同順の場合は肉、魚、野菜の順で優先させるというきまりで図表1では魚に区分している。