友達になるためには一緒に過ごす時間が欠かせない

では、「もう1人の自分」との深い友情を生むものは何なのか? それには、「シグナリング理論」と呼ばれる研究分野が参考になる。「コストのかかるシグナル」を発するほど、より強力なシグナルとして相手に作用するという考え方だ。

真の友人になるために有効な「コストのかかるシグナル」として、専門家のあいだではっきり意見が一致しているものが二つある。

1つ目は「時間」だ。なぜ時間は強力なシグナルなのか。それは、希少な資源だからにほかならない。

北アリゾナ大学のメリクシャ・デミルによると、それは親交、つまり、ただいっしょに時間を過ごすことだという。そして、研究結果によると、友人関係で最も一般的な対立の原因は何だと言われているだろう? 案にたがわず、またもや「時間」である。それを避けては通れない。時間はきわめて重要だ。

友達になるには100時間、親友になるには200時間以上かかる

というわけで、大人になってから友人と過ごす時間を増やすには、どうすれば良いだろう? カギとなるのは「儀式」だ。交友関係を持続できている人のことを考えてみよう。意識的かどうかは別として、おそらく、儀式のようなものがつき合いの根底にあるはずだ。

「毎週日曜に話をする」とか、「いっしょにエクササイズをする」など。ほかの友人関係でも、それと同じことをしてみよう。きっとうまくいく。何か継続していっしょにできることを探してみよう。

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800万件以上の電話を分析したノートルダム大学の調査によると、2週間おきに何らかの形で連絡を取るのが、良い目標になるようだ。その最低限の頻度を保てば、友人関係が持続する可能性が高くなる。

しかし、新しい友人を作るには、さらに時間がかかる。カンサス大学のコミュニケーション論教授のジェフリー・ホールの調査によると、軽い友情を育むのに60時間、「本格的な友人」になるには100時間、そして自慢の「親友」になるには200時間以上かかったという。もちろん、ときにはそれ以上だったり、以下だったりするだろうが、いずれにしても膨大な時間だ。