そもそもルールを理解できていないことがある

●食事を食べ終わるまえに外に行こうとしてしまうとき

まず、この課題に向き合うために考えていくことを整理しましょう。

①「食べ終わる→外に出てあそべる」のルールを理解できているか
②「食べ終わる」が理解できているか
③「食べ終わる≒完食する」ことができるのか

大きく分けてこの3つの視点があるとします。

①「食べ終わる→外に出てあそべる」のルールを理解できているか

はじめに、「ルールが理解できているか」をしっかり確認しましょう。「わかっていて、できない」と「わかっていなくて、できない」は近いようで全然ちがいます。もしわかっていないようだったら、イラストにする、動画で見せるなど、その子に伝わる方法を探してみてください。

②「食べ終わる」が理解できているか

ここで大人が求めている「食べ終わる」が「完食」だったとします。

大人は「完食しないと(食べ終わらないと)、外に行ってあそべない」ルールだと解釈していても、子どもは「ある程度、お腹が満たされたら、食べ終わり」と理解しているかもしれません。

この食いちがいを埋めないと、いくらやってもこの課題は解決しません。

大人の柔軟な対応も必要です。「ある程度満たされた終わり」でよしとするのか、しないのか。

よしとするなら、それをどうやって判断し、示してもらうのかを考えましょう。

③「食べ終わる≒完食する」ことができるのか

ここでまさかの展開です。

そもそも「(最後まで)食べ終わる≒完食する」ことができるのか? という、初心に帰ってみたいと思います。

テーブルの上のスクラップ。食べ残しの空のプレート
写真=iStock.com/Savusia Konstantin

ルールが守れるように前提条件を整える

①も②も理解できているけれど、そもそも「食べ終わる≒完食する」がその子にとって、とても苦しいことかもしれません。よくあるのは「食べられないし、食べたくないけど、外ではあそびたいから、食事の途中で離席して出て行こうとする」みたいなパターンです。

子どもが「食べられないし、食べたくない」をうまく伝えられず、大人が「食べられるし、食べなきゃいけない」と思っていると、笑えないすれちがいコントがはじまります。

だから、本来は大人が「(ほとんど確実に)食べられるものを、食べられる量」で提示することから、この課題にアプローチしていかなければなりません。

あたりまえのようですが、この課題はそうやって提示された食事を「食べ終わる」ことができるという「前提」の条件をしっかり満たすことが重要です。