感情のコントロールが苦手な子には、どのように対応するべきか。現役の特別支援学校の教員である平熱さんは、「不安や怒りの気持ちを抑えるのではなく、そうした感情でいっぱいになったときに取るべき行動を教えてあげることが大切だ」という――。

※本稿は、平熱『特別支援教育が教えてくれた 発達が気になる子の育て方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

学校でのいじめ
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予定変更にパニックを起こす子への対処法

発達につまずきがある子は、「不安や怒りといった感情をコントロールすることが苦手」という悩みをもっていることが少なくありません。そこで、実際に保護者の方々から寄せられたご相談やお悩みの中から2つをピックアップして、具体的な対策について考えてみましょう。

お悩み:『いつもとちがうことが起こると不安でいっぱいになり、「帰る!」と大騒ぎ。身動きがとれなくなります。』

まず、「いつもとちがうこと」を0にすることはできません。何人なんぴとたりとも、変更がない生活は送れません。

もちろん、ここから派生する「不安でいっぱいになる」も否定することはできません。

どれだけ正確な「見通しをもつ」ことを大事にしても、完ぺきな計画なんてものはありません。ただ、前提として、「見通し」はもっておいたほうが安心して過ごせる場合が多いです。

「どうせ予定は変更になるんだから(見通しをもつための)スケジュールはいらない!」

ではなく、

「予定は変更になることもあるけど、スケジュール表などを使って見通しをもっていきましょう」

という考え方がベースです。

このケースでやらなくてはいけないことは、大きく分けて2つです。

ひとつめは「いつもとちがうこと(見通しや予定が崩れること)」を受け入れたり対応したりする練習をすること

もうひとつは「不安でいっぱいになった場合」の適切な対応を知り、実践していくことです。