中年層・高齢者層はTwitterを使うほど孤独になる

また悩みや抑うつについても、同じ傾向がみられました。LINEのような家族、友達との連絡ツールとなっているSNSは、リアルでの関係がうまくいっている限りにおいては、現代に欠かせないコミュニケーションツールであることが、この研究でも示されています。反対に、はまるほどメンタルに悪いのは、Twitterでした。

幸福度、悩みや抑うつは、Twitterの頻繁な発信と関連がありました。中年層・高齢者層においてのみ、孤独感がTwitterの発信頻度と相関があったことは、Twitterで誹謗中傷ばかりの投稿で暴れている匿名アカウントを見ると、なるほどという気がします。たしかに、匿名での発信、やり取りが多いTwitterでは、攻撃性に富んだ誹謗中傷が問題となっています。

わたしが学生から受ける相談でも、メンタル不調の要因となっているのは、誹謗中傷を受けやすいTwitterである印象を持つので、現場の感覚とマッチしているように思えます。

実名で発信している著名人が、あまりに度を越した人格批判や誹謗中傷に耐えかねて、メンタル不調だけでなく自殺に追い込まれることさえあるということは、胸が痛む、忘れてはならないリスクです。

このようなTwitterの危険性を知っていても、わたしなどは貴重な情報源として、毎日何度も閲覧してしまいます。Twitterでの炎上騒ぎで、うつになったり眠れなくなったりする人からの相談を受けることもありますが、なかなかTwitterはやめられない、アカウントを削除できないといいます。依存性、習慣性の強いものであると、やめられない自分を振り返っても、改めて思い知らされます。

インスタグラムには悪影響がないが…

Twitterは、あまりに攻撃的なアカウントは、ミュートにしてしまうのがいちばんです。ブロックすると、相手は拒絶されたと反応し、あの手この手でますます攻撃してくる可能性があります。

また投稿する際は、見ている人がどのような反応をするかを想像する必要があります。ムカついた情報に瞬時に反射的にツイートしたり、酒気帯びでのツイートは、危険です。動物の画像など適度に和むアカウントを織り交ぜながら、自分のタイムラインをメンタルにやさしいものにするのが賢明です。閲覧数を増やすために、炎上を故意に狙う人もいるかもしれませんが、これは自己責任でしょう。

Instagram、Facebookは、年齢層は異なるものの、日本人の場合は総じてメンタルによいという結果でした。リアルな友達とのコミュニケーションのよい補完になっていれば問題ありません。しかし高級ホテルやレストランの写真アップ、おしゃれな服を買った、子どもが難関校に合格したといった投稿は、本人にその意図はなくても、自身の優位を無意識のうちにアピールしている行動の可能性もあります。

写真カルーセル付きのソーシャルメディア投稿のモックアップ
写真=iStock.com/grinvalds
※写真はイメージです

また、見ているほうも、「こいつ、いい思いしているな」「自分はそれどころじゃないのに」という嫉妬や羨望が生じてくれば、メンタルに好ましいとは言えません。