変身ポイントは「協調性」

なぜそんなことが起きるのでしょうか。

それは、変身ポイントである「協調性」がマイナスにあらわれているからです。

「協調性」とは、たとえ性格や意見が異なっても、互いに譲り合うことで調和をはかろうとする力のこと。「協調性」に富んだ人は、互いの利害が対立するような場面でも、それぞれの立場を尊重しつつ、協力して物事を進めることができます。

ここでの悩みのように、「言い返したくても言い返せない」「強気でこられると従ってしまう」といった「協調性」がマイナスにあらわれていることも、自分にとっての大きなエネルギーにできるのです。

本当の協調性とは、タイミングよく自分の意見を言うこと

「協調性」がマイナスにあらわれると

では、なぜ「言い返したくても言い返せない」「強気でこられると従ってしまう」のでしょうか。

協調性に富んだ人は弱気で、相手の強気な態度に怖じ気づいている、というわけではありません。

むしろ、人一倍冷静でなるべく物事を荒立てたくない、人間関係に波風を立てたくない――。

そんな気持ちから、相手に強く主張されれば、じっと我慢して合わせてしまうのです。

せっかく、事前に「こういったことを話そう」といったプランや話す準備をしているのに、結局いつも言えずじまいになってしまいます。

これは非常にもったいない話です。

説明する部下と笑顔の上司
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです
「協調性」がプラスにあらわれると

ではどうすれば、協調性をプラスの出方にすることができるのでしょうか。

本当の協調性とは、自分を押し殺すことではなく、相手が受け入れやすい表現で、タイミングよく自分の意見を言うことです。

安田正『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』(三笠書房)
安田正『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』(三笠書房)

絶好のタイミングは、相手が言いたいことを全部言い終えたあとです。自分の意見をなるべく短くまとめて、次のように言ってみましょう。

「若干、別の考え方をしているかもしれませんが、少しお話ししてもいいですか?」
「それでは3分だけお時間をいただいて、私の意見を述べてもいいですか?」

もっとも、あまりハッキリと伝えられず、初めのうちは反撃にあって言い負かされるかもしれません。

ただし、そのようにして必ず自分の考えを伝える習慣があれば、やがては芯のある人として、発言力が増してくるはずです。

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