「副知事を5人」「次点の人に議席を」…
具体的には、例えば、統一地方選挙まで残存任期が1年未満なら、一度だけ数カ月任期が長くなって良いし、1年以上あれば統一地方選挙までの任期の選挙を一度だけすれば時期は統一できる。
また、現在の都道府県会議員は、国会で議員が大臣になるような可能性を封じられている。大臣をやったことのない国会議員が首相になるのは無理があるのと同じで、県会議員から知事になっても経験不足ということになる。たとえば、副知事を5人くらいに増員して、そのうち何人かは、都道府県議会議員と兼任でもいいのではないか。
また、知事選挙などで落選すると、次点でも公的な立場は何もないことになる。だから、地方自治体には、野党党首がいないのである。これも、たとえば、知事選挙などで次点になったら、議会に議席を与えるようにしてはどうか。
こうした制度改革は、いずれも憲法とは関係なく、公職選挙法などを改正すれば可能なのである。
もっと多様な人に開けた議会にする方法もある
地方選挙の投票率が低迷しているひとつの理由は、地方議員のなり手不足で、候補者の質が低下しているのも原因だという指摘もある。議員年金廃止はとくに影響が大きかった。とくに、維新や公明党は特権剝奪に熱心である。私はこの2党を割に評価しているのだが、この点については主張が少し行きすぎだと思う。
行きすぎた歳費引き下げにも反対だが、たとえば、議会の夜間開催などで、他の職業と両立可能の範囲を広げるべきだ。あるいは、議長・副議長、委員会の委員長、監査役など役職とその他の議員の待遇を明確に分けるのも一案だ。
議員の数を減らすという意見もあるが、幅広い意見の反映から行きすぎてはならないと思う。議員の政務調査費も、不正使用が後を絶たないが、少し使いにくくしすぎではないか。
現在は、会社員や公務員などが政治の道を志した場合、まず職場を辞めてから出馬するケースが多い。このような政治参加のハードルを上げている「現行ルール」を一つずつでも改善することで、よりユニークな人材が選挙に挑戦できるようにすべきだろう。