地方自治体のトップはどういう人たちなのか
第20回統一地方選挙が、都道府県と政令指定都市の首長と議会は4月9日投票、市町村長と議会は4月23日投票で行われる。
そのうち全国的に注目されるのは、北海道、神奈川、福井、大阪、奈良、鳥取、島根、徳島、大分の9道府県で行われる知事選挙だと思うが、今回は、47都道府県の知事がどういう人たちで、どのくらいの期間にわたり地方自治体のトップを務めているのか、についてご取り上げたい。というのは、地元住民にとっては、なんとなく当たり前と思っていることでも、他の都道府県と比べてみるとさまざまな発見があるからだ。
私は、2007年に『歴代知事300人 日本全国「現代の殿様」列伝』(光文社新書)という本を書いて、いまでも関係者の間ではよく読んでいただいている。また、『47都道府県政治地図』(啓文社書房)を改訂版として書いて、戦後の公選知事とその選挙をすべての経緯を分析しているので、それに基づいて、知事制度の現状や課題をご紹介したい。
ちなみに、1947年(昭和22年)の第一回統一地方選挙から2023年3月末までに、選挙で選ばれ、就任した知事は336人である(返り咲いた人が2人いるが、それは1人として計算)。まずは概要を見てみよう。
平均在任期間は安倍首相の在任期間より長い
平均の在任期間は10年あまりであり、つまり歴代最長の安倍晋三首相の通算在任期間(8年8カ月)より長い。経歴は断然、官僚が多く過半数を占め、学歴も東京大学出身が半分を超える。1993年に退任した宮沢喜一首相を最後に、総理大臣を輩出しなくなった「東京大学法学部ブランド」も、知事への特急券としては健在だ。
約3割が他府県出身者であること、2000年に太田房江が大阪府知事選挙に当選して一気に女性知事が増えそうな気配だったが、現在は東京の小池百合子知事と山形の吉村美栄子知事の2人だけということも興味深いところだ。