総務省は伝統的な「知事の供給源」
現職の47都道府県知事の初就任時の平均年齢は52.6歳である。最年少は鈴木直道(北海道)の38歳で、最高齢は服部誠太郎(福岡県)の66歳である。30歳代が2人、40歳代が16人、50歳代が14人、60歳代が15人である。
職歴を見ると、いわゆる官僚が28人で過半数を占める。
自治省・総務省が内堀雅雄(福島)、阿部守一(長野)、杉本達治(福井)斎藤元彦(兵庫)、平井伸治(鳥取)、丸山達也(島根)村岡嗣政(山口)、飯泉嘉門(徳島)、浜田省司(高知)、山口祥義(佐賀)、河野俊嗣(宮崎)の11人で、通商産業・経済産業省が大井川和彦(茨城)、古田肇(岐阜)、湯崎英彦(広島)、広瀬勝貞(大分)、塩田康一(鹿児島)の5人。
旧運輸省が花角英世(新潟)、一見勝之(三重)・荒井正吾(奈良)、大蔵・財務省が長崎幸太郎(山梨)、岸本周平(和歌山)、外務省が達増拓也(岩手)、大野元裕(埼玉)、旧建設省が西脇隆俊(京都)、池田豊人(香川)、農水省が大村秀章(愛知)である。
大石賢吾(長崎)は厚生労働省の医系技官、村井嘉浩(宮城)は自衛官なので少し異色だ。
「生え抜き知事」は福岡知事1人だけ
伝統的な供給源の総務省のほか、平松守彦大分県知事の出現から一世を風靡した経済産業省が現在は減って、あちこちの役所に散らばっている傾向がある。
地方公務員では、服部誠太郎(福岡)は生え抜きの県職員ではただ1人、副知事から知事になっている。佐竹敬久(秋田)も元県庁幹部だが、佐竹氏は旧藩主佐竹一門だから少し意味合いが違う。福田富一(栃木)は早くに県庁を辞めて市議からのし上がった。鈴木直道(北海道)は東京都庁から夕張市役所には出向、市長から知事になった。
かつて、県庁職員出身の知事が10人ほどいた時期もあったのだが、いまは定年延長で、都道府県庁のプロパー職員が副知事になれるのは60歳くらいであるので、「生え抜き知事」というのはなかなか誕生しにくい状況にある。
現職知事のうち、その県の副知事を経験しているのは7人だけで、福岡の服部誠太郎以外の6人は霞が関からの出向者だ。