知事は選挙でなく議会で選ぶほうがいい
都道府県議会選挙では、維新の躍進と共産の凋落が対照的だった。共産の敗因は、代表公選を提案した京都の有力党員を除名して、古典的な共産党から脱皮してないことが露呈してしまったことだろう。
共産党について、私はG7で日本だけが唯一、共産党がそれなりの勢力をもっていることがおかしいので、名前を変え、過去を反省し、日米同盟を認めるのが再生に不可欠と主張してきた。くわしくは『日本の政治「解体新書」 世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱』(小学館新書)を参照してほしい。
さて、それでは、どうしたら首長多選を減少させ、官僚に偏った出自を多様化させ、議会を活性化させられるかについて、提案をしたい。ただし、これには、憲法を改正することを前提にするかどうかで話が変わってくる。
私は都道府県知事も首相と同じように議会で選ぶ議院内閣制のほうがいいと思う。ヨーロッパでしているように、各政党が首長候補を明示して議会選挙をするのだから、現在の県会議長のような地方のボスタイプの人が首長になるわけでないし、魅力的な首長候補を立てないと地方議会で議席を取れない。
「立候補=失職」ルールを変えるメリット
しかし、こうした憲法改正を必要とする話をすぐに実現させることはむずかしいだろう。そこでまず、現在は、首長や議員などが他の公職に立候補する段階で職を失うが、これを、当選したら失うようにすればいい。首長が国会議員に出馬したり、逆に国会や地方議会の議員が首長に立候補したりできれば、無風選挙は少なくなる。場合によっては、兼職を認めてもよい。
かつて、フランスでは首相が市長を兼ねたりするのも普通だった。これは、野党の国会議員に行政経験を積ませるのにも役立つ。フランスやドイツなどで野党が首相や大臣になってすぐに通用するのは、州首相などの経験がある人が多いこともひとつの理由だ。
現在は、多くの首長選挙や地方議会選挙が統一地方選挙と違う時期に行われているが、これは、統一すべきだ。政治的思惑で時期をずらすのもよくないし、地域によって同じ時期に複数の選挙する地域とそうでない地域があるのは、複数の選挙が同時にある地域だけ投票率を上げることになり、不公平な影響を選挙に与える。