次世代戦略TNGAのすごい効果
具体的には2015年の4代目プリウスから投入した現骨格のTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)プラットフォームが効いているのでしょう。
TNGAとは、企画・調達・生産まで一貫して連携することを中心に、パーツの共用化、生産現場での連携、商品力の向上を図ることで、グローバルに通用するクルマ作りを行う次世代戦略です。これにより商品力アップと同時に原価低減の効果が得られるのです。
具体的には、プラットフォームやパワーユニットを複数のモデルで共有し、一体的に開発することで、トヨタラインアップ全体の基本性能を向上させようという狙いがあります。
まずプリウスに初投入されたコンパクト用のGA-CプラットフォームがC-HR、カローラ、カローラクロスなどに使われました。
また、カムリに初投入されたGA-Kプラットフォームが今のRAV4やクラウンなどに使われ、さらに小さいGA-Bプラットフォームがヤリスやヤリスクロスやアクアに使われています。
今やTNGAはラダーフレーム構造を持つランドクルーザーやレクサスLXにも使われています。ほぼ全面展開されているわけです。
CO2削減効果ではテスラに負けていない
小沢的に面白かったのが今回ハイブリッドの原価が明らかになったことです。
現在、カローラやプリウスに積まれている1.8Lハイブリッドは去年出たノア&ヴォクシーに採用されたものが第5世代といわれます。これが、なんと1997年に出た初代プリウスの1.5Lハイブリッドの約6分の1の価格だとか。
初代プリウスは215万円と当時のカローラの約1.4倍の値付けがなされましたが、それでも利益が出てないと囁かれてました。それが今や純粋エンジン単体価格と遜色ないようです。
かつてエンジン原価は40万円などと言われてましたが、それを単純に当てはめると、昔240万円だったハイブリッドは今や40万円前後で作れるのかもしれません。正確には分かりませんが、とにかくハイブリッドは儲かる商品なのです。
会見では、トヨタが売ったハイブリッド車の合計が2250万台に至ることを改めて示し、それがCO2削減効果ではピュアなバッテリーEVに換算すると約750万台分に当たると言っています。
確かにテスラは昨年グローバルで131万台を売り、21年も93万台売りましたが、トータルではトヨタを恐らく超えてないことになります。
もちろん今後の伸び次第では分かりませんが、現状トヨタはCO2削減効果で、暗にテスラに負けてないということを言っているわけです。