虫の標本づくりが一段落するまでは生きていよう

長生きはしようと思っていませんが、「今やっている虫の標本づくりが一段落するまでは生きていよう」とぼんやり思っています。といっても、いつ片付くかわかりませんが。

標本づくりに終わりはありませんが、ある分野については終わりにするとか、そういうことをやっておかないと申し訳ないという気持ちはあるのです。

例えば人からいろんな標本をいただいているので、それだけは片付けておきたいと2〜3年前から思っています。

それでも虫の標本はどんどん増えるので整理しきれません。頭の中で自分なりの整理はついていますが、それを実際に行うとなると、時間がぜんぜん足りません。それこそ死んでいる暇がないのです。

「虫の日」に虫の法要を行う

6月4日は「虫の日」です。数年前から、この日に鎌倉の建長寺で虫の法要を行うようになりました。

僕は虫の標本をつくっていますから、これまでに何万匹もの虫を殺しています。その供養という意味合いで始めました。

ほとんどの人は自分が虫を殺しているという意識はないでしょう。でもゴキブリやハエを見つけたら、殺虫剤をシューッて平気でやっています。8畳間の部屋に1回シューッとやると、24時間虫がゼロになるという強力な殺虫剤もありますし、最近、新聞を見たら、1年間は大丈夫という殺虫剤の広告も出ていました。

高速道路を走る車に虫がぶつかると、その虫は死んでしまいます。それでどのくらいの虫が死ぬのか計算した人がいますが、車1台が廃車になるまでに何千万匹もの虫が殺されているそうです。

誰でも、アリのような小さい虫を年中踏みつけていますし、それをもって生命尊重とか言われても、僕は聞くつもりはありません。