銀座の高級クラブ「クラブ由美」のオーナー・伊藤由美さんは、自分の店で「3K話」をすることを禁じている。伊藤さんは「『3K話』とは、『陰で、コソコソ、ここだけの話だけど』で始まる会話のこと。その場にいる全員がイヤな気持ちになるので、どんな場所でもこうした話し方は避けたほうがいい」という――。(第1回)
※本稿は、伊藤由美『銀座のママに「ビジネス哲学」を聞いてみたら』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。
負のオーラが立ち込める“3K話”
数人で固まって声を潜めてヒソヒソ&コソコソ――。私、こういうの大嫌いです。
話題に上っている人が近くにいるのを知っていて、わざと声を潜めて悪口陰口を言い募り、時折、チラ見したりする。こんなのは陰湿なイジメ以外の何物でもありません。もしこんなシーンを見かけたら、相手が誰であろうと、どんな状況だろうと、「言いたいことがあるなら、面と向かって言いなさい」「人に聞かれて困る話なら、誰もいないところでおやりなさい」と言い放ってしまう自信があります。
こうした「陰で」「コソコソ」「ここだけの話だけど」で始まる「不愉快な3K話」と言えば、たいていは誰かの悪口や陰口と相場は決まっています。だって、いいことを誰かに隠すようにコソコソヒソヒソと話す人はあまりいませんから。
そして3K話をしている集団の周辺には、決まってどす黒い“負のオーラ”が立ち込めているもの。悪口&陰口から闇を抱えたネガティブな空気が発散されているのです。周囲の人たちは、こうした負のオーラに対して思っている以上に敏感です。
誰かが近くでコソコソ話をしていると、人はみな、「また誰かの悪口を言ってるんだろう」「ひょっとして自分のことを貶けなしているんじゃないのか」などと気になって、イヤな気分になってしまうもの。職場でも、仲間内でも、誰かがコソコソと3K話を始めると、その場全体が負のオーラ一色になってしまうのです。