デキる人は「ものごとの裏側」を意識できる
人は「他者、とくに自分と同等だと思っていた近しい人が、自分が欲しかったものを、自分より先に手に入れたとき」、とくにうらやみや妬みなどのネガティブ感情を抱きやすいのだそうです。同じ職場で同じ仕事に携わっていた同僚が、自分より先に大きな成果を上げた。自分だって
同じくらい仕事がデキる、いや本音では「自分のほうがデキる」と思っていた。なのに先を越されてしまった。何だよ、実はオレのほうがアイツより仕事がデキなかったのか。情けない――。こんなふうに推移する心中には、なかなか「おめでとう」という心からの祝福の気持ちが生まれてくる余地がなくなってしまうのでしょう。
仕事柄、数多くの成功者と呼ばれる人たちに接してきましたが、その方々に共通しているのは「ものごとの裏側に意識を向けられる」ということです。仕事で大きな実績を上げた同僚が手にした「成功と評価」という結果だけに目を向けると、「うらやましい」「なんでアイツが」といった感情ばかりが湧き出てしまう恐れがあります。
でも、その成功の裏側に意識を向けてみると、どうでしょうか。そこには自分が知らなかった努力や苦労、我慢や痛みなどが存在しているかもしれません。運のよさだけではなし得なかった成功の本当の理由が見えてくるかもしれません。
「人の話を聴く」とはどういうことか
成功する人は、その陰で成功するだけの努力を積み重ねています。しかしうらやみだけで見ると、どうしてもこの部分に目がいかないのでしょう。成功者をうらやみ、卑屈になるだけでは、自分は一歩も前進できません。
それよりも嫉妬を敬意に変えて、その人が果たした成功へのプロセスから何かを学び、自分を高めるための糧にするというマインドチェンジを心がけたいものです。見事な成功を手にした人の、表面的な成功という事実にただ嫉妬するのか、成功の裏側に意識を向けて敬意を払うのか。その心持ちひとつで自分自身の生き方や考え方は大きく変わってくるはずです。
ひとつ質問です。
Bさん「大きな声を出さなくたって聞こえてるって」
さて、BさんはAさんの話を聞いているでしょうか。答えは「NO」です。理由はもうおわかりですね。そう「聞こえているけれど、聞いていない」からです。もっと言えば「聴いていない」からです。ここで重要なのは「聞く・聴く」と「聞こえている」とでは、その意味合いが大きく異なるということです。