「家を買うなら5000~8000万円程度」本当にその額が必要か

・住宅購入費:約3494万円

ライフイベント費用としては一番大きいでしょう。住む場所で金額は一変します。旅行先では、よく不動産の相場をチェックします。たとえば都心に住む人は5000万円~8000万円の住宅ローンを組んで購入する人もいます。一方、公営住宅は、はるかに安く済みます。

住宅は一生住むと決まっていないかぎりは、「売りたくなったときに、売れるか」「値下がり具合はどう予想されるか」といった出口戦略を考えたうえで購入しないと、一生その負債が肩にのしかかるリスクもあります。

そして住宅購入費は、個人・時期によって非常に差が出やすい分野です。住宅ローン1つ取っても、住宅ローン減税の有無、固定金利か変動金利、金利がいくらか、といった要素で数百万円変わってきます。

住環境に何を求めるか、自分の価値観を見つめ直す

日銀の未曽有の大規模金融緩和で近年低金利環境が続いてきました。金融緩和という金融政策は、インフレや通貨価値の下落といった副作用が遅れてやってくることが考えられます。

穂高唯希『#シンFIRE論』(KADOKAWA)
穂高唯希『#シンFIRE論』(KADOKAWA)

株式・為替・債券など、市場を人為的に操作すると、たいてい歪み(バブル)が生じます。歪みはいずれ表面化します。歪んで下げたものはいずれ上がり、歪んで上げたものはいずれ下がるのが市場の常です。

低金利のうちに固定金利でローンを組んでおくのも1つの戦略でしょう。私は以前住宅購入の際に、そうしました。

収入が多くなければ、年収制限つきで「格安市営住宅」が提供されている地域もあります。築年数が浅く、綺麗な物件もあります。私は一時期、北海道をはじめ、現地の役所に足を運んだり、問い合わせたりして、築浅2DKで家賃2万円などよい物件を教えてもらえました。

結局、住宅購入費も千差万別です。自分や家族の価値観をすり合わせ、どのような環境を求め、どこでどんな物件に住むのかを見極めることが大切です。

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