子供に適切な金銭感覚を身に着けさせるには、どうすればいいか。個人投資家の穂高唯希さんは「子供が『うちの家庭は裕福だ』という認識を持つのは良いことではない。むしろ『うちはお金がない』と思っているほうが、お金に関してよく考えるようになる」という――。

※本稿は、穂高唯希『#シンFIRE論』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

若いアジアの母と彼女の娘は貯金箱からコインを数えます。
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気付かないうちに染み付いた固定観念が可能性を狭める

固定観念はやっかいです。

一度自分の中に根を張ると、気づかぬうちに成長し、太い幹となり、「こうあるべきだ」といった原理主義的な考えに至ることもあります。

情報が多い現代では、どんな情報がどんな方向から来ても、スポンジのように柔らかく受け止め、必要なものは吸収し、不要なものは跳ね返す柔軟性が必要です。

私がFIREを目指す過程でも「可能性を狭める固定観念には絶対に注意しよう」と感じたことが多々ありました。

以下によく耳にする固定観念の例を挙げてみます。

・株式投資=ギャンブル?

新入社員の頃、「株式投資をしている」と同期や社内の人に言うと、「え、あれってギャンブルじゃないの? 大丈夫?」といった反応が多くありました。

いまでこそ資産運用は一般的になりつつありますが、数年前まで「株式投資=ギャンブル」という等式が成り立っていました。そう感じるのは無理もないと思います。成功体験が希少だからです。日経平均株価はバブル期をピークとして低迷し続けていました。身近に株式投資で成功した人がいないと、「株式投資=資産運用の有効な手段」と感じづらくなります。

もし私自身が「株はギャンブル」という固定観念を持っていたら、FIRE達成もおぼつかなかったかもしれません。