「欲求が深い」とはどういうことか

人間の三大欲求といえば「食欲」「睡眠欲」「性欲」ですが、現代ではそれら以上に「承認欲求」の欲求レベルの高まりを感じます。

「モテたい」「他者から“成功している”と思われ、尊敬されたい」「バカにしてきた人を見返したい」などの欲求は、広告でもよく見る訴求なだけあって、現代人を魅了する言葉なのです。

また最近では、「他者から承認されたい」という欲求から派生して「自分で自分を承認したい」という欲求も生まれてきています。

今流行っている言葉に置き換えるとすれば、「自己肯定感」でしょうか。

「他者からの肯定に依存するより、自分で自分のご機嫌を取れるほうが、自立していて良い」という認識は、間違いなく昔よりも強くなっているでしょう。

書店に行くと、「自己肯定感を高める本コーナー」ができていたり、「人気本コーナー」でも自己肯定感を題材とした本が大量に平積みされていたりします(本屋は、その時期のトレンドがめちゃくちゃ反映される場所で面白いです)。

「他者から承認されたい」は男性に多い傾向、「自分で自分を承認したい」は女性に多い傾向があります。

「男性はモテるためにおしゃれをして、女性は自己満足のためにおしゃれをする」と巷で言われやすいのも、これが原因かもしれません。

つまり、「食欲」「睡眠欲」「性欲」に加えて、「他者承認欲求」「自己承認欲求(自己肯定感)」は、現代人に向けての訴求として、かなり深い欲求であり、市場規模や客単価が上がりやすい傾向にあります。

高ランクのクレカは「ドヤ顔」の価値も

例えば、クレジットカードの色を変えるために、高額な年会費を払う人がいます。

もちろんランクの高いクレジットカードだと、コンシェルジュがついたり、ラウンジが使えるなどの特典はあります。

クレジットカードでの支払い
写真=iStock.com/Ridofranz
※写真はイメージです

しかし実は「支払いの際に、一目で高ランクだとわかるクレジットカードを出すことでドヤ顔ができる」という価値があります。

本来は、現金を出さずに前借りで支払いをする目的のクレジットカードですが、支払いという実用価値の他に、承認欲求を満たすための価値も存在しているといえます。

オナホは、パケ買いされるクリエイティブで戦われている市場であり、みんながちょっと冒険したくなる市場であり、性欲に根付いた欲求の深い市場。

つまり、「突き抜けたコンセプト」があれば、新規参入の私でも十分勝算のある事業なのです。

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