間違った健康法によるストレスのほうが怖い

なお、先ほど日本人の三大死因の1位はがんだとお伝えしましたが、それは世界的に見て日本人に不安症が多いことも一因でしょう。

ストレスを溜めがちな日本人ならば、むしろ食生活をそこまで厳しく管理せず、食べたいものをしっかり食べるほうが健康にはプラスかもしれません。しかし、間違った健康法によって、抱えなくてもいい食生活の我慢が募った結果、ストレスによって免疫機能が低下してがんになる人も増えているように思います。実際、先進国の中でがんによる死亡が増えているのは日本だけです。

「医師の言葉を聞きすぎなくていい」という提言は、食生活に限らず、すべての健康法に言えることです。日本人は本当に真面目で不安症が多いため、ちょっとした数値の異常でも真面目に医者の言葉や世間の常識に従ってしまいます。でも、そんな行動がストレスを溜める要因になって、病気を引き起こしたり、豊かな人生を阻害する要因になることもあります。

根が真面目な人が多いからこそ、日本人は思う存分「やりたいこと」をやるくらいのほうが、ちょうどいいのです。

実はあやふやな「健康」の定義

あなたはいま健康ですか? それとも不健康ですか?

そう質問されたら、みなさんはどう答えますか?

実は、「健康」という言葉の定義は、なかなか難しいものです。健康診断などの検査データがすべて正常ならば健康と言えるのか。それとも、体が何不自由なく動くのが健康なのか。

世間一般には「健康寿命」という単語も一般的になりましたが、これも元はといえば「自分自身が健康だと思いますか?」という問いに対して、「はい」と答えた人の人数と年齢によって算出されています。つまり、自分が健康だと思っているかどうかという主観で決められているのです。

足腰が弱って動けない人が、「自分は健康です」とは答えないと思いますが、ほんの少しの不調であっても薬を飲んでいたら「自分は不健康だ」と思うかもしれないし、同じ状況でも人の手を借りずに毎日を楽しく過ごせているのであれば「健康」と考える人もいるでしょう。

実は、健康とは回答者の主観的な部分が、大いに関係しているのです。