ガールズバー、ラウンジ、ショーパブ、スナック

最近、店舗数が増加傾向にある【ガールズバー】は、クラブやキャバクラのように客の隣に座って接客を行うのではなく、カウンター越しで接客を行う。

料金体系はキャバクラなどよりもリーズナブルに設定されていることが多い。

隣に座っての接客でないことから、飲食店のくくりに入ると勘違いされやすいが、飲食店ではなく、ほぼ例外なく風俗営業の許可を取得する必要がある。

【コンセプトカフェ】も、ガールズバーの一種で、キャストがその店のコンセプトに即した衣装を身に着けて接客をする。

こちらも「カフェ」というネーミングにはなっているが、ガールズバーと同じく、風俗営業の許可が必要である。

【ラウンジ】はクラブよりもカジュアルで、ガールズバーと異なり、カウンター以外の席が多い店舗を指す。

【ショーパブ】は、店内でショーやステージを行うラウンジのこと。

【スナック】または【パブスナック】は、ママやマスターが個人で経営をする小規模店舗を指すことが多い。

女性による接客よりも、ママ、マスターとの会話や、客同士のコミュニケーション、カラオケなどを目当てにする客が多いのも特徴である。

性風俗店やギャラ飲みとの違い

ちなみに、日本水商売協会では、接待飲食店と性風俗店は分けて考えている。

衣装がランジェリーだったり、ボディタッチなどがサービスの一環として含まれていたりする(あるいは、暗黙の了解で認められている)、いわゆるセクキャバ・いちゃキャバ・おっぱいパブなどを接待飲食店と定義づける方もいるが、当協会ではこれらの店舗は「脱法的な接待飲食業とはいえるが、事実上の性風俗店であり、我々が呼ぶ「水商売」ではない」としている。

なお、性風俗店は風営法上「性風俗関連特殊営業等」と呼ばれ、水商売が含まれる「風俗営業」とは別に定義されている。

甲賀香織『日本水商売協会 コロナ禍の「夜の街」を支えて』(筑摩書房)
甲賀香織『日本水商売協会 コロナ禍の「夜の街」を支えて』(筑摩書房)

また、運営会社が女性に時給を支払い、飲み会の場に女性を斡旋する「ギャラ飲み」という仕組みもある。

これは無店舗型・フリーの接待飲食業のようなものだが、現状ではこの業態も当協会では「水商売」とは定義していない。ただし、ここで働く女性たちは、協会として支援していきたいと考えている。

さらに補足すると、同じ接待飲食業である「ホストクラブ」のような男性が接客をする業態は、我々の定義としては「水商売」に含まれる。

しかし、現状において日本水商売協会には参加していない。協会設立時の段階では、まずは女性が働く業態で協会運営を確立させるほうが確実であると考えたためだ。

とはいえ、私はかねてより個人的にホストの皆様との親交があり、同じ業界の「仲間」だと思っており、本書にはホストとして働く男性も登場している。

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