学び直しは今や、生き残るために不可欠なもの

リスキリングに関する本を手に取っている方の中にも、本音では「頑張る必要などあるのか?」と思っている方もいることでしょう。

リスキリングが人生を輝かせる今、あらためてリスキリングを模索すべき理由は、果たしてどこにあるのでしょうか? 外部環境は激変しています。デジタルトランスフォーメーションが企業や国にとっての待ったなしのアジェンダになる一方、個人は人生100年を生き抜くことが求められるようになっています。その中で取り残されないようにしようという危機感を持つと同時に、学び直しをすることで新しい可能性や選択肢が広がることに目を向ける必要があります。

現に、Z世代は最初の会社に2~3年勤めてスキルを身につけた上で転職することが前提の「転職ネイティブ」とも言われています。入社や終身雇用がゴールなのではなく、スキルを身につけた上でキャリアアップしていくことを前提にしているということです。昨今の就職人気ランキングではかつて花形と考えられていた大手総合商社や金融機関、有名メーカーよりもコンサルティング企業が脚光を浴び、IT企業への関心も高まっています。

1つの会社にとどまり続けるリスクが意識されている

スタートアップやベンチャー企業に就職して腕試しをしたいと考える学生も増えています。若いうちからスキルを更新し続けていこうという意識が高まっており、新しいスキルを身につけ続ければキャリアの可能性が広がると考えられているのです。逆にいえば、1つの会社にとどまり続けるリスクが意識されているということです。

徳岡晃一郎、房広治『リスキリング超入門 DXより重要なビジネスパーソンの「戦略的学び直し」』(KADOKAWA)
徳岡晃一郎、房広治『リスキリング超入門 DXより重要なビジネスパーソンの「戦略的学び直し」』(KADOKAWA)

今はVUCAの時代だと言われています。社会はVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)に満ちており、今後を予測することは極めて難しいという時代認識です。その中で諦めるのでもなく、組織にしがみつくのでもなく、前を向いていきましょう。またあれもこれもとじたばたしてもしょうがないので、そこは戦略的に学びましょう。

リスキリングのために必要なスキル、すなわちシナリオ、スピード、サイエンス、セキュリティの「4つのS」を軸にリスキリングに向き合い、現状に安住せずにそこから飛び出し、未来を志向して価値を発揮し続ける存在でありたいものです。

それが個人の人生を永続的に豊かにし、企業や社会経済の活性化につながっていくのです。

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