キャッチコピーは「爆弾娘」

何作か脇役で出演(ただし、その場合も歌を披露している)した後、初の主演映画のチャンスが巡ってくる。1949年公開の『悲しき口笛』である。

物語の舞台は終戦直後の横浜。復員してきた男性(原保美)は、生き別れになった妹・ミツコ(美空ひばり)を探す。一方、妹もまた、兄が作った曲「悲しき口笛」だけを手がかりに、兄を探している。そこに戦災孤児のミツコの面倒を見てくれる女性(津島恵子)も絡んでくるというストーリーである。

有名なのは、当時12歳の美空ひばりが、シルクハットにタキシード姿でブルース調の「悲しき口笛」を歌うシーンだろう。その歌声は子どもとは思えない情感にあふれ、誰しもが感嘆するようなものだった。映画自体、このシーンを盛り上げるためのものだったとさえ言える。