1年勉強するだけで年収を上げられる

実務経験が豊富な40〜50代ほど、英語力によって年収が大きく上がる可能性があるので、リスキリングで英語力を高めてほしいものです。ただ、全般的に習得しようとすると、覚えることが多くて大変なので、学ぶ範囲を絞るといいでしょう。40〜50代の場合、これまでの実務経験から、どんな英語が仕事に必要かがわかるはずです。その分野に絞って集中的に学ぶことで、効率よくリスキリングができると思います。

もっとも、40〜50代の世代であれば、わざわざ英語を身につけなくとも、現状の収入を維持したまま逃げきることができるかもしれません。ただし、現在のようにインフレが激しいと、現状維持では収入は目減りしてしまいます。収入を上げたいと考えるのであれば、やはり英語力を高めるべきです。仕事で成果を上げるのは大変ですが、英語なら、1年頑張って勉強すればTOEIC L&Rテストで100〜200点は上げられます。仕事で成果を出そうとするより、英語力を上げて転職したほうが給料は上がるでしょう。

5年後、10年後、日本企業で働く外国籍の人材はますます増えていきます。彼ら彼女らは仕事上、日本語をある程度話すことができるかもしれませんが、オフタイムなどに忌憚きたんなく話そうとするときには、会話は英語になります。そのときに英語力があったほうが、現場でのコミュニケーションは間違いなく高まります。なかには、アイスブレイクで外国籍の人と雑談ができるようになるために、英会話スクールでビジネス英会話ではなく、あえて日常会話コースを選ぶ人もいるのです。

最近、AIが進化して自動翻訳の性能がどんどんよくなってきています。「この先、わざわざ英語力を身につける必要はないのでは」と思うかもしれませんが、AI翻訳がどれだけ進化しても、気持ちや感情まで相手に伝えることはできません。自分の言葉で話すことで、初めて相手に思いが伝わるものではないでしょうか。ビジネスにおけるコミュニケーションツールとしての英語の必要性は、今後も変わることはないでしょう。

(構成=増田忠英 図版作成=大橋昭一)
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