早起きを習慣化するにはどうすればいいか。スリープコーチの角谷リョウさんは「早起きのために『早く寝る』ことは人間の性質として難しい。それより早く起きるために30分ずつ起床時間をずらしていくことだ」という――。

※本稿は、角谷リョウ『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

読書したくても、夜の時間は動画やゲームが中心になりがち

今ではビジネスパーソンのみなさんも、学生時代に楽しいことをやろうと思ったら、活動時間は夜間あるいは深夜が定番だったのではないでしょうか?

高校時代は部屋で隠れてこっそりと、大学時代は深夜までみんなと遊んだりしたことでしょう。同様にビジネスパーソンのほとんどの方は、自分の楽しみや好きなことを夜にされています。

私はよく「なぜその楽しみは夜にされているのですか?」と尋ねるのですが、ほとんどの方が「夜しか自由な時間がないから」と答えます。

さらに「その楽しみは十分に楽しめていますか?」と尋ねると、「いや、夜は疲れていて、実際には疲れていてもできる動画視聴やゲームが中心で、本当にしたい読書や趣味はできてないんです」というのが最も多い回答です。

現代のビジネスパーソンの仕事のハードさ、情報量の多さを考えると、夜になったころには頭の中はノイズだらけで疲れ切った状態になっています。

そこでいったん「夜に好きなことをする」という習慣をやめて、早めに寝て、朝に好きなことをする時間を作ってみるのはどうでしょうか?

好きなことは「夜」でなく「朝」にシフトが人生を充実させる

私は24時間開いているオフィスで働いているのですが、早朝が最も静かで仕事がはかどります。また最近ではジムやカフェも早朝から開いているところも増えてきました。

心も体も疲れた状態で好きなことをしても集中できないのであれば、夜は回復するために快眠に集中してみてはいかがでしょう。

朝イチに疲れが取れていて、フレッシュな状態であれば、ほとんどの趣味を楽しむことが可能です。私も難しい本は朝しか集中して読むことができません。

朝からプログラム言語を勉強したり、大好きなゲームをしたり、ヨガや運動をしたり、朝に好きなことをする時間をシフトした人は、同じ時間でもやれることや集中度合いが全然違うとおっしゃいます。

ひと昔前であれば、夜でも朝でもどちらの時間でもそれぞれ良さがあったと思うのですが、今の情報社会、ストレス社会では、好きなことは夜でなく朝にシフトしたほうが、より人生を楽しめる可能性が高くなりそうです。

好きなことは夜でなく朝にシフトしたほうが、より人生を楽しめる可能性が高くなりそう
イラストレーション=髙栁浩太郎