「植物由来のヘルシーな食品ほど太る」というワナ

「3カ月で1kgの差」はたしかに小さな違いではありますが、少なくとも逆の方向ではないでしょう。

つまり、「油は太る」と言うより「油はやせる」と言うほうが事実に近いと思われます。

私たちは植物由来の食品のほうがヘルシーだと考えがちですが、そうした食品は往々にして炭水化物が多く含まれています。

つまり、こと体重に限っていえば、植物由来の食品を食べれば食べるほど太りやすいため、ヘルシーではないと言えるかもしれません。

玄米や野菜を使ったランチプレート
写真=iStock.com/Kayoko Hayashi
植物由来のヘルシーな食品ほど太る(※写真はイメージです)

「油食べ放題ダイエット」をすすめるほどではない

要するに、やせたいなら脂質制限よりは糖質制限がいいと言えそうです。

人間が食べる量には限界がありますから、脂質を減らせば、その分糖質の摂取量が増え、太りやすくなります。

逆に、油の摂取量を増やせば、糖質の摂取量が減り、体重が落ちます。

ただ、なぜ糖質を摂取すると太るのかは、よくわかりません。

人体は複雑です。体内で糖と脂質は互いに変換されていて、食べたものがそのまま身に付くわけではありません。

ロバート・アトキンスが1960年代に糖質制限食を考案したのは有名です。ただ、実験データが積み重なってきた2000年ごろまで、糖質制限が脂質制限に勝るという考えは少数派でした。

ただ、さっそく唐揚げと焼肉をいっぱい食べようと意気込むのは考えものです。先ほどの実験でも、「油食べ放題ダイエット」はせいぜい3カ月で1kgの差。ダイエットの成否を分けるほどの効果ではありません。