脂肪の摂取量を増やしたほうが4キロ近くやせた
結果は次のとおりでした。
・高脂肪食のほうがHbA1c(糖尿病の指標)が0.59%改善した。
・高脂肪食のほうが体重が3.8kg多く減った。
・高脂肪食のほうがLDLコレステロール値が14.3mg/dl高くなった。
・NAFLDの検査では違いを確認できなかった。
・高脂肪食のほうが体重が3.8kg多く減った。
・高脂肪食のほうがLDLコレステロール値が14.3mg/dl高くなった。
・NAFLDの検査では違いを確認できなかった。
実験の結果、脂肪の摂取量を増やしたほうが4キロ近くやせていたのです。
ただし、高脂肪食はLDLコレステロール値が悪くなっていることに注意が必要です。
また、この体重3.8kgの減少が、何かの偶然だった可能性も考えなければいけません(「統計学的に有意」とされてはいますが)。
偶然かどうかについては「多重性」という専門的な問題があってややこしいのですが、ほかの実験結果からも同様の傾向が見て取れます。
たとえば、炭水化物を摂取カロリーの45~65%の範囲にした場合と、さらに炭水化物を減らした場合の比較を全部集めた調査があります。
それを見ると、全体としては低炭水化物食のほうが体重が減る傾向が見て取れます。
この調査では、対象者のBMI(体重÷身長の2乗)が25以上の実験を選んでいます。
そのうち、2型糖尿病を持たない人を対象とした、3カ月から8.5カ月の実験では、低炭水化物食のほうが平均的に1.07kg多く減量しています。
さらに、2型糖尿病を持つ人を対象とした3カ月から6カ月の実験では、低炭水化物食のほうが平均的に1.26kg多く減量していました。
ただ、1年以上の実験では、低炭水化物食との差がはっきりしなくなる傾向にありました。
調査の結論部分では、以上の差は「小さいか、ない」と表現されていますが、ゼロと言ってしまうのは少し厳しいように思います。