年200万円以上を貯蓄に回しているが、一時期は株にも手を出した。
「スルガコーポレーション株を持っていましたが、反社会勢力との関係が取り沙汰されて上場廃止。さっさと売っておけばよかったのに、持ち続けていたから300万円の損。その分を取り戻そうとしてみずほ銀行株を買ったら、ドカン、ドカンって感じで下がって、結局トータルで400万円損しました。もう思い出したくもない」
現在、預貯金は2000万円超。「億単位はないと、全然安心できないですね。これから年金どうなるんだろう、とか、心配ばかりしている」。
玉井さんは、周囲から「近寄り難い」と言われるのもうなずける、目鼻立ちのはっきりした容貌。過去に交際した男性は2人で、ともに20代の頃にお見合いで出会った。
「1人目はバツイチ。2人目はちょっと神経質な人だった」
いずれもイケメン。面食いは一生直らない、と苦笑する。
「父からも、離婚した母からも、『おまえは結婚に向いてないよ』と言われた」
一昨年、20歳近く年上の男性からプロポーズされた。
「海外旅行好きで、悠々自適の方です。でも、年齢は父のほうが近い。『父のほうが男前だわ』『父が悲しむかも』とか、『体臭が嫌』『金歯が見えるのが嫌』等々、あれこれ考えすぎてしまった。恋愛感情がなくても、結婚ってできるんでしょうか……」
結局、相手から“来てほしい”と懇願してきたメールを無視してしまったという。
「老後のための結婚とはいえ、相手が年々変わっていくのを、受け容れる自信がありません」
でも、会社にいつまでしがみついていられるかわからない。お金なしで長生きしても……と嘆息する玉井さん、父よりも私が先に逝く予定なんで、とおどけてみせた。
※すべて雑誌掲載当時
(小原孝博=撮影)