運動によって数学的能力が上がる

また、イリノイ大学アーバナシャンペイン校のブルジンスカらは、運動をすると脳の「白質」と呼ばれる部位が強化されることを明らかにしました。

白質とは、脳の中でも神経繊維が集まっている部分です。いわば情報伝達を担うケーブルの集合体。最近の研究では白質と数学的能力の関連も判明しています。

ちなみに白質の強化には、子どもの頃から適度な運動を定期的に行うのがよいとされています。特に縄跳びが望ましいようです。

白質の強化には縄跳びが望ましい(※写真はイメージです)
写真=iStock.com/lzf
白質の強化には縄跳びが望ましい(※写真はイメージです)

「友人がたくさんいる」と間違いが増加

このように、強くイメージすることは非常に重要なのですが、あまり思い込みが激し過ぎるのも問題です。

そもそも人間は雰囲気や周りの意見に流されやすい存在でもあります。

「アッシュの同調実験」という有名な実験があります。

1本の線が書かれたカードと長さの異なる3本の線が書かれたカードを被験者に見せ、前者と同じ長さの線を、後者から選ばせるという実験です。

実験は次の条件のもとで行われました。

「7人の集団で12回行う」
「7人中6人はサクラで、本当の被験者は7番目に回答する」
「6人のサクラは12回のうち7回、全員がわざと同じ誤答をする」

この実験において、「サクラ6人が全員一致で誤答したとき」に間違いがもっとも多かったそうです。