つまり、正しい答えを選んでいても、大多数の人が間違った意見を口にすると、同調圧力が働き、多数派の意見になびいてしまうのです。
逆に、「1人でも正解を言うサクラがいる」と正答率は大きく跳ね上がったそうです。
少なくともこの「アッシュの同調実験」を見る限り、友人が多すぎるのも考えものだと言えそうです。
広い交友関係には忍耐力が必要
オックスフォード大学のジョンストンとダンバーは、社会的なつながりやコミュニケーションの多寡が、神経伝達物質の一種であるエンドルフィンの分泌にどのように影響するかを調べました。
被験者に「空気イス」の姿勢をとってもらい、耐えられる時間を測定し、メールや電話で連絡をとる友人の数や関係性を調べました。
すると、より長い時間我慢できる人ほど、交友関係が広いことがわかったのです。
ただ、逆に言うと、広い交友関係を持つのは、かなり我慢強い人でないと無理なのかもしれません。
京都大学の内田由紀子教授らは、友達の数と質が幸福感とどう関係するかを調査しています。
それによると、人間関係を広く求める人は、友達の数が多いほど幸福感が高まるそうですが、狭い範囲の人間関係でも心地よい関係を求める人は、友達の質が幸福感に大きく影響するそうです。
どうやら、むやみやたらに友達を増やせばいいというわけではなさそうです。