器用じゃないのでキャラの使い分けはしていない

――芸人としての「クロちゃん」と一人の人間としての「黒川明人」は使い分けていますか。

これがね、あんまりないんですよ。僕はあまり器用な人間じゃないので変えられない。でも、変えないことによって、普段をすべて自分のペースにしているから楽ですよね。

SNSについても同じです。

アイドルになりたい気持ちは今も変わらないので、アイドルがやりそうな感じで「おはよう」って写真を上げているだけ。そしたら「気持ち悪い」とか「早く永眠してください」ってリプライが返ってくる。僕はあくまで日常の可愛いと思っていることに対して、アイドルっぽく立ち振る舞っているだけなんです。

お笑いトリオ「安田大サーカス」のクロちゃん
撮影=門間新弥

アンチのおかげで正しい方向へ進めていられる

――クロちゃんといえばTwitterでも人気です(2月15日現在約76万フォロワー)。辛辣なリプライにはどう対処していますか。

最初はもちろんショックはありましたよ。でも、僕の中で考えてみても、自分が悪いことをした訳ではないんですよね。だから、それに対して何かを変えようとも思わなかったですし、逆にその人たちがどういうマインドなのかを知りたくなって、一つひとつのリプライに全部目を通したんですよ。

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そこで思ったのが、アンチの人たちって、僕のことをすごく意識しているんですよね。それは僕に対して興味、関心があるっていうことで、もしかしたら一歩違えば僕のことを好きになってくれるかもしれないと、ある意味で大きな可能性があると思ったんです。

そこでTwitterを実験材料にしていろいろなことをやっていった結果、中には反応が変わってくる人も出てきて。だから、SNSでひどいことを書かれたとしても、僕はあまり気にしないようになりました。とんちんかんなリプライは心の中で論破して、たまに的を射た意見があったときには少し直すとか。

個人的には、周りが自分を認めてくれる、それこそイエスマンばかりになってしまうと、自分がおかしな方向に行ってしまうと思うんです。ある意味でアンチの人たちのおかげで、そこは正せていると思います。SNSで心ないことを書かれて、落ち込んだり病んだりしてしまう人もいっぱいいると思いますけど、そういう人とやりあってもいいことはないですから。真摯な意見は受け入れつつ、あとは見下すくらいでちょうどいいと思います。