現在、在宅介護をサポートする介護サービスには、ホームヘルパーによる訪問介護、1日のうち数時間、介護施設で預かってくれるデイサービスやデイケアサービス、数日から2週間程度施設に入所できるショートステイなどがある。さらに、看護師が自宅を訪問し点滴管理などを行ってくれる訪問看護サービス、入浴機器を備えた車が自宅に来てくれる訪問入浴サービスなどもある。
これらのサービスをどのように組み合わせて利用するかを決めるのがケアプラン作成で、その役割を担っているのがケアマネジャーである。
しかし、ケアマネジャーの質は均一ではなく、その能力には大きな差があるのが実情だ。できることなら、能力の高いケアマネジャーとの出会いを期待したいところであるが、そうならない場合も覚悟する必要がある。
そこで提案したいのが、いいケアマネジャーを見つけることを考える前に、目の前にいるケアマネジャーを味方につける方法である。
要介護者の健康状態はもちろん、社交的であるかなど性格に関すること、家族の構成からそれぞれの仕事と介護に関わることのできる時間に至るまで細かく伝える。
そのうえで、最良のケアプランを一緒に考える方向に持っていく。サービスを利用する側から積極的に働きかけない限り、ケアマネジャーを使いこなすことはできない。介護を成功させる鍵は、自分の家族のためにしっかりと働いてくれるパートナーを見つけることだ。
※すべて雑誌掲載当時
依田 平●ケア21社長
1993年、大阪に学習塾「ヨダゼミイースト」設立。99年ケアにじゅういち(現ケア21)に商号変更。在宅介護ステーション、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービスを運営。その拠点は100ヵ所を超える。
(永井 浩=撮影)