仕事はあくまで「私生活」のためにある

そもそも、ワーク・ライフ・バランスと言うときの「ライフ」は、プライベート・ライフ、私生活のことです。「ワーク」つまり仕事と私生活のバランスだということは、言葉の意味としては誰もが理解しているはずです。

ところが、いまの日本人の働き方の実態は、仕事が私生活の犠牲の上に成り立っているのが現実です。仕事のためなら、残業もやむなし。仕事に少しでもプラスになると思えば、夜の飲みニケーションにも精を出す。休日の接待ゴルフも当たり前。そんな仕事優位の考え方が、本来なら私生活に費やす時間を削り続けているのです。

結婚してもなおその旧弊から抜け出せないままでいると、いったい何のための結婚なのかということになります。組織の一員として、簡単に「いち抜けた」というわけにはいかない?

そう言いたくなる気持ちはわかります。しかし、そんな状態はおかしいとまず思わないことには、改善の一歩は踏み出せません。

ワーク・ライフ・バランスを、すでに全社的な方針として唱えている会社はいくらでもあるでしょう。制度としてノー残業デーがあったり、休暇制度などもそれなりに配慮されているかもしれません。しかし、どんなに制度が整備されていたとしても、その多くは形骸化しているのではないでしょうか。

問題は一人ひとりが意識変革できるかどうかなのです。

もしあなたが、これから結婚を考えているとしたら、仕事のために私生活があるのではなく、私生活のために仕事があるのだということを肝に銘じなければいけません。けっして「旧人類」に後戻りしてはいけない。新しい「目覚めた人」としてのワーク・ライフ・バランス感覚をぜひもってほしいのです。

まずこのことを、あなたへの熱いエールとして送りたいと思います。

※新刊『ほんとうは仕事よりも大切なこと~いつか結婚するあなたへ贈る37の処方箋』より