辺境の地ならではの絶景が楽しめる
そして昨年、古びたプールを改装して完成したのが、まるで海外のリゾートを思わせる空間だ。そこは、太平洋とプールが一体化してみえる「インフィニティプール」であり、その上に浮かぶようにレストランの客席が配置されている。ここでは、ナポリ式の本格ピザなど、絶品のイタリア料理を楽しむことができる。
「これ、ヤバくないですか?」と高野は少年のような笑顔を見せた。
さらに、高野はTheMana Village周辺でも、さまざまな仕掛けを行っている。
タイから輸入した三輪自動車「トゥクトゥク」を高野自ら操り、ヘリポートの建設予定地など、周辺を案内してくれた。
中でも印象的だったのは、近くの港にある、神秘的な洞窟。エメラルドグリーンの海が、奥に進むほど次第に色濃くなっていき、どこまで続くのか見当もつかない。高野は、夏場に、この洞窟の入り口付近で遊ぶツアーを開くことを考えている。「以前、両親と一緒にトゥクトゥクに乗ってくれた子どもたちから、『ディズニーランドより楽しい!』と言ってもらえたのはうれしかった」
念願のウガンダでホテル建設の調査へ
誰も目を向けなかったような不便な土地で、次々と事業を拡大するARTH。
実は、沖縄県北部の東村の山中にも、古民家を改装した「むいの宿」がある。ここは、社員たちで集まって泊まることなども想定し、ある意味では、採算度外視で買収したというが、昨年、NHKの連続テレビ小説「ちむどんどん」の主人公の実家のロケ地となり、ファンたちが大勢訪れるようになった。
さらに、ARTHが開発した水・電気完全自給ホテル「WEAZER」は、経産省が推進する「質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業費補助金」に採択され、高野らは昨年12月、アフリカ・ウガンダに乗り込み、WEAZER進出に関する調査をすでにスタートさせている。2月中にも、2度目の調査に向かう予定だ。
ARTHのメンバーたちの夢はどこまで実現していくのか。今後も、取材を続けていこうと考えている。
(すべて敬称略)