SNSと縁を切ってオッケー

誰しも、たくさんの「腐くされ縁」を抱えています。なかなか別れられない恋人や配偶者、迷惑をかけられてばかりの友だち、別に美味しくも安くもないのに通ってしまう知り合いの飲み屋……。

今、もっとも多くの人が抱えている「腐れ縁」の相手は、いろんな種類のSNSではないでしょうか。人間との腐れ縁と同じで、こんな面倒な相手とはさっさと別れたいと思っているのに、ダラダラと付き合い続けてしまいます。

フェイスブックの知り合いの投稿に、どうでもいいねと思いながら次々に「いいね!」を押すルーティンをやめられない。腹が立つだけなのはわかっているのに、ついツイッターを覗いてしまう。もはや惰性で付き合っているだけなのは自覚していても、アプリを削除する決心はなかなかつきません。

スマホで、SNSの投稿に「いいね」を押す手元
写真=iStock.com/Tonktiti
※写真はイメージです

SNSに三下り半を突き付ける決断を阻んでいるものは何か。人間同士の関係なら「冷たいと思われたくない」とか「仲間内の評判が落ちるから」とか「心では嫌っていても……」とか、いろんな理由があるでしょう。しかしSNSは、無理をしてまで付き合い続ける必要は特になさそうです。

しいて言えば「習慣を変えるのが面倒だから」ぐらいでしょうか。目先の面倒が壁となって、毎日そこそこの面倒を背負い続けているわけです。それが人間の愚かさと言ってしまえばそれまでですが、もしSNSがストレスになっているなら、毎日続く膨大な無理を放棄するために、目先の小さな無理に挑みましょう。

首尾よく縁を切れたら、きっと生まれ変わったようにすがすがしくてラクな日々が訪れるはず。「世の中から取り残されるのではないか」「友だちとのつながりが切れてしまうのではないか」なんて心配する必要はありません。SNSの外側の世の中のほうがはるかに広くて濃密だし、SNSがなければつながりが持てない友だちは、自分にとってつながる必要がない友だちです。

もちろん、やってて楽しかったり、それなりに役に立つと感じていたりするなら、がんばって縁を切る必要はありません。人間にせよなんにせよ、いいところもあれば悪いところもあります。腐れ縁も縁のうちということで、適当に力を抜いてなるべくストレスのない付き合い方を模索しましょう。いつでも別れてやると思いつつ。